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コラム

なぜ私は「都心生活を勧めないキャリアコーチ」になったのか |Calmee(カーミー)

なぜ私は「都心生活を勧めないキャリアコーチ」になったのか

20代の憧れは、本物だった

20代前半の私にとって、東京都心部での生活は眩しいほどキラキラして見えました。朝の通勤ラッシュも、終電ギリギリの帰宅も、週末の人混みも、すべてが「キラキラした都心生活」「充実した大人の生活」の象徴でした。新宿の高層ビルを見上げながら「いつかあのオフィスで働きたい」と思い、表参道のカフェで友人と語り合う時間は何物にも代えがたい宝物でした。

あの頃のキラキラした憧れは、決して間違いではありませんでした。若さという名の無尽蔵のエネルギーと、すべてを吸収したいという旺盛な好奇心があったからこそ、都心の刺激的な環境は私たちを成長させてくれました。

でも最近、少し疲れを感じていませんか?

朝の満員電車で、以前なら感じなかった息苦しさを覚えたり、仕事帰りの人混みに「家に帰りたい」と切実に思ったり。それは決して「歳をとった」からではなく、あなたが成熟し、本当に大切なものが見えてきた証拠なのです。キャリアコーチングの現場で30代・40代の方々と向き合う中で、こうした変化は多くの人に共通する自然な成長のプロセスだと実感しています。

東京タワーと都心の夜景 - アラフォー以降の住まい選択とキャリア設計を考える30代後半40代前半向けライフスタイル提案コラム用画像

都心生活が輝く「条件」を見つめ直す

キャリアコーチとして多くの30代後半から40代前半の方々とお話しする中で、気づいたことがあります。都心生活が本当に充実するのは、実は限られた条件が揃った時だということです。キャリア相談やライフプラン相談を通じて見えてきた、都心生活に適したタイミングについてお話しします。

若さと体力が充実している時期 20代から30代前半にかけて、私たちは自然と高い体力と回復力を持っています。通勤時間が長くても、人混みの中を歩き回っても、翌日にはケロリと元気になれました。この時期の都心生活は、まさに理想的な環境だったのです。キャリアコーチングでも、20代のクライアント様には都心での経験を積むことを積極的にお勧めしています。

経済的な余裕がある状態 都心で本当に快適に暮らすには、相応の経済力が必要です。独身時代は自分一人の収入で何とかなっていた都心生活も、結婚・出産・子育てといったライフステージの変化により、必要な住空間も生活費も大幅に増加します。2LDK以上の駅近物件、子どもの教育費、家族での外食費など、独身時代とは桁違いの支出が必要になります。これらを無理なく享受できる経済状況であれば、都心生活は素晴らしい選択肢です。しかし現実的に考えると、アラフォー以降の一般的な収入では、かなりハードルの高い選択と言えるでしょう。

好奇心と刺激への渇望 新しい出会い、文化的な体験、キャリアアップの機会。これらを積極的に求めている時期には、都心の多様性と機会の豊富さは何物にも代えがたい価値を持ちます。20代から30代前半にかけて、都心で様々な体験を積むことは、人生への投資として大きな意味があります。しかし、それなりの年齢になった時、私たちは大切なことに気づきます。私たちは働くために生きているわけではない、ということを。

私自身、大病を経験し生死を彷徨った時期があります。また、大切な方々を見送る経験もしてきました。その時に気づいたのは、人生の最期に「もっと働いておけば良かった」と言って旅立っていく人は、一人もいないということです。むしろ、「もっと家族と時間を過ごせば良かった」「もっと自分らしく生きれば良かった」「もっと心地よい時間を大切にすれば良かった」という声ばかりでした。この経験が、私のキャリアコーチングの根幹を形作っています。

つまり、都心生活そのものに問題があるのではなく、私たちの人生のステージや経済状況と「合うタイミング」があるということなのです。独身で身軽だった20代と、家族を持ち将来への責任を感じる30代後半以降では、同じ都心生活でも意味合いが全く変わってきます。この変化を素直に受け入れることは、決して「妥協」ではなく「成熟」なのです。30代のキャリア相談や40代の転職相談では、この視点がとても重要になります。

人生中盤からの美しい変化

30代後半を迎えると、多くの人が自然に感じ始める変化があります。それは「衰え」ではなく、人間としての「成熟」の表れです。キャリアコーチングセッションでは、この変化を「第二の成長期」と呼んでいます。

通勤に往復2時間かかることの重さを、以前とは違う角度で感じるようになります。その2時間を家族との時間や、自分の興味のある学びに使えたら、どんなに豊かだろうと思うのは、とても自然なことです。定年まであと20年余りという現実を意識し始めると、「本当に大切にしたいもの」の優先順位が変わってきます。

若い頃は「効率的であること」「生産性が高いこと」に価値を感じていました。しかし人生経験を積むうちに、「心地よいこと」「安らげること」の価値を理解するようになります。これは人間として自然で美しい成長なのです。キャリアコーチとして、この変化を否定するのではなく、新しい人生ステージの始まりとして前向きに捉えるサポートをしています。

キャリアコーチングでワークライフバランスを整え、充実した日々を送る女性

すべての選択に、等しい価値がある

キャリアコーチングで最もお伝えしたいのは、住まいやライフスタイルに「正解」は存在しないということです。大切なのは、あなた自身が心から納得できる選択をすることです。

実家暮らしという賢明な選択 「いい歳して実家暮らし」なんて言葉を耳にすることがありますが、これほど的外れな批判はありません。家族との時間を大切にし、経済的な合理性を追求し、両親の健康や生活をサポートできる実家暮らしは、とても価値ある選択です。住居費を抑えることで生まれる心の余裕は、新しいチャレンジへの原動力となり、家族との絆を深める時間的なゆとりをもたらします。30代・40代のキャリアチェンジを考える際、実家暮らしという選択肢が経済的な安定基盤となることも少なくありません。

賃貸生活という自由な選択 住宅ローンを組まず、賃貸で身軽に暮らすことを選ぶ人も増えています。転職や転居の自由度を保ちながら、その時々の収入や家族構成に応じて最適な住環境を選べる柔軟性は、変化の激しい現代において大きな強みです。何かあった時の身軽さは、人生の予期せぬ展開に対する安心感を与えてくれます。キャリアコーチングでは、こうした柔軟性を「キャリア資産」の一つとして捉えています。

住宅購入という安定の選択 もちろん、住宅ローンを組んで自分の家を持つことも素晴らしい選択です。安定した住環境と資産形成を同時に実現し、家族にとっての「安心の基盤」を築くことができます。自分たちの城を持つという充実感と、長期的な計画性を持った暮らしの安定感は、人生に深い満足をもたらします。

地方移住という豊かな選択 コロナ禍を機にリモートワークが普及し、地方移住という選択肢も身近になりました。自然豊かな環境での生活、低い生活コストで実現するゆとりのある暮らし、地域コミュニティとの温かいつながりなど、都心では得難い価値がそこにあります。朝起きて山々を眺めながらコーヒーを飲む時間、子どもたちが自然の中でのびのびと遊ぶ姿。そんな何気ない日常にこそ、本当の豊かさがあるのかもしれません。Calmeeのキャリアコーチングでは、地方移住とキャリアの両立についてのご相談も増えています。

「納得」こそが最重要指標

年収1000万円で都心のキラキラしたタワーマンションに住んでいても、毎日疲れ果てて家族との時間を持てない人。年収400万円で地方の一軒家に住み、家族との時間を大切にしながら地域に貢献している人。どちらがより豊かな人生を送っているでしょうか?

答えは「本人の納得度」にあります。そして、人生の本当に大切な瞬間は、高い年収や立派な肩書きではなく、愛する人との何気ない時間、心から安らげる空間、自分らしくいられる環境の中にこそあるのです。これは、キャリアコーチングの現場で何百人もの方々と対話してきた中で確信したことです。

数字では測れない豊かさ 年収、貯蓄額、住宅の資産価値。これらの数字は確かに大切ですが、それがすべてではありません。朝起きた時の気持ちの良さ、家族との会話の質、仕事への取り組み方の充実感。これらの「数字にならない豊かさ」が、実は人生の満足度を大きく左右します。キャリア相談では、この「見えない豊かさ」を可視化するワークも行っています。

他人の価値観からの解放 「30代なら都心のマンション購入が当たり前」「地方暮らしは負け組」「実家暮らしは自立していない証拠」。こうした画一的な価値観は、もはや現実に合いません。多様化した働き方、価値観、ライフスタイルの時代において、大切なのは「あなた自身がどう生きたいか」です。

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身の丈に合った暮らし方の美学

「身の丈に合った」という言葉に、後ろめたさを感じる必要はありません。それは「自分を知っている」「現実的な判断ができる」「持続可能な選択をしている」という、とても成熟した姿勢の表れです。

収入に見合った住居選択 月収の3分の1を住居費の目安とするのは、理にかなっています。それ以上の割合を住居費に充てると、他の大切なことへの投資(健康、学び、家族、趣味など)ができなくなってしまいます。キャリアコーチングでは、ライフプラン全体を見渡した住居選択のアドバイスも行っています。

通勤時間と生活の質のバランス 多少住居費が高くても通勤時間を短縮することで得られる時間の価値と、住居費を抑えて通勤時間が長くなることで得られる経済的余裕。どちらを選ぶかは、その人の価値観次第です。大切なのは、意識的にバランスを取ることです。

将来への不安と現在の充実のバランス 将来への備えは大切ですが、現在の生活を極端に犠牲にしてまで貯蓄に励む必要はありません。適度な貯蓄をしながら、現在の生活も充実させる。この絶妙なバランス感覚が、人生中盤からの大切な能力です。

あなたの選択を応援したい

キャリアコーチとして、私が最も大切にしているのは「その人らしい選択」を応援することです。一般的な成功モデルや、周囲の期待に合わせる必要はありません。

Calmeeが提供する価値 Calmeeは、住まいの選択も含めた総合的なライフデザインをサポートするキャリアコーチングサービスです。キャリアだけでなく、住環境、家族関係、経済計画、健康管理など、人生のあらゆる側面を統合的に考える「仕事だけでなく人生全体のキャリアコーチング」を提供しています。30代の転職相談から、40代のキャリアチェンジ、ワークライフバランスの見直しまで、一人ひとりに寄り添ったサポートを心がけています。

個別最適解の発見 住宅ローンを組むべきか、賃貸を続けるべきか。都心にとどまるべきか、郊外や地方に移るべきか。これらの判断に「正解」はありません。あるのは「あなたにとっての最適解」だけです。Calmeeのキャリアコーチングでは、その最適解を見つけるお手伝いをします。転職や働き方の悩み、モヤモヤの整理から、人生設計全体まで、じっくりと対話を重ねながら答えを一緒に見つけていきます。

人生中盤を迎えた女性たちの穏やかな対話 - 納得できる働き方と暮らし方を語り合う30代後半40代前半の談笑イメージ

人生中盤からの新しい地図

30代後半から40代前半は、人生の「転換点」です。これまでの価値観や選択を見直し、本当に大切なものを再定義する時期。それは決して「諦め」ではなく、より豊かで満足度の高い人生への「アップデート」です。

都心生活も、郊外生活も、地方生活も、実家暮らしも、賃貸も、持ち家も。すべての選択肢が等しく価値あるものです。大切なのは、あなた自身が心から納得し、毎日を心地よく過ごせる選択をすることです。

私がキャリアコーチとしてアラフォー以上の方々に都心生活をあまりお勧めしていないのは、決して都心生活を否定しているからではありません。むしろ、一人ひとりが自分らしい選択をできる時代の素晴らしさを、多くの人に知ってほしいからです。

あなたの人生は、あなただけのものです。他人の価値観ではなく、あなた自身の心の声に耳を傾けて、納得のいく選択をしてください。その選択がどんなものであっても、私たちはあなたを応援しています。

人生に「遅すぎる」ことなんて、ありません。今からでも、あなたらしい生き方を始めることができるのです。キャリアの悩み、働き方の迷い、人生の方向性について考えたいとき、Calmeeはいつでもあなたの伴走者となります。

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Calmee(カーミー)について: 心を整えることから始まるキャリアコーチングサービスです。転職やモヤモヤの整理、自分らしい働き方について、一緒に考えさせていただきます。30代・40代のキャリア相談、ライフプラン設計、ワークライフバランスの見直しなど、人生全体を見渡したコーチングを提供しています。詳しくは https://calmee.jp をご覧ください。

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